朝起き上がれないめまいや
起立性調節障害の漢方療法について

起立性調節障害は、自律神経の不調(失調)から血液循環に問題が生じ様々な症状が表れる疾患です。起立性調節障害は、主に小学校高学年から中学生・高校生に発生しやすい傾向にあります。思春期の子供たちが朝起きられず、学校に行けないなどのよくある症状は、起立性調節障害が原因となっているかもしれません。

1.起立性調節障害とは

血圧を調整する自律神経が失調し、血圧の調整に支障が出て起き上がれないなどの症状が表れます。その結果、日常生活に問題が発生する方もおられます。

起立性調節障害の種類と症状

起立直後性低血圧
起立直後の血圧低下からの回復に時間がかかるタイプ。
体位性頻脈症候群
血圧の回復に異常はないが、起立後心拍の回復がなく上昇したままのタイプ。
神経調節性失神
起立中に急激な血圧低下によっていきなり失神するタイプ。
遷延性起立性低血圧

起立を続けることにより徐々に血圧が低下して失神に至るタイプ。

数ある起立性調節障害の中で「起立直後性低血圧・体位性頻脈症候群」が多く、「神経調節性失神・遷延性起立性低血圧」は少ない傾向にあります。

起立性調節障害になりやすい人

起立性調節障害は、発症したお子様のご両親もかつては起立性調節障害だったということが多く報告されており、患者様の約半数に遺伝の可能性が考えられています。

また、発症する男女比は、男子1に対して女子は1.5〜2となっていて、女子の方が発症する割合がやや高くなっています。

他にも「起床が苦手・めまい・立ちくらみ」が多い傾向にある人は生まれつき自律神経の働きが弱く、発症しやすい傾向にあります。

さらに、生活習慣から水分や塩分の摂取が少ない低血圧の人や、少食や栄養不足、であるなどエネルギーの状態状態が不安定な場合にも発症しやすくなります。

真面目で責任感の強い人や周りに気を遣いすぎる人など、常日頃から精神的ストレスを受けやすく貯めやすい方も、発症の主な原因である自律神経の乱れが起こりやすくなります。

2.起立性調節障害の原因

起立性調節障害は、自律神経の調節不良によって起こります。自律神経失調症の要因となる精神的(親、学校、友達、勉強など)ストレスなどは、起立性調節障害の要因の1つとしても考えられています。

自律神経の失調

自律神経活動には24時間周期のリズムがあり、早朝になると交感神経の活動が優勢になり身体を活性化します。

夜には副交感神経の活動が優勢となり身体を休養させるように働きかける制御が正常です。

しかし、起立性調節障害の状態では、起床時や午前中に交感神経が活性化せず5~6時間以上も後ろにずれ込んできます。

このため、朝に身体が休止しているような状態になり、その一方で、深夜になっても交感神経の活動性が下がってこないので、夜は身体が元気になり寝つきが悪くなります。

適切な血圧が保持できない

人の身体は、起立すると重力の影響により血液が下半身に貯留し、静脈を経て心臓へ戻る血液量が減少し血圧が低下します。

これを防ぐために自律神経系の一つである交感神経が優勢になり下半身の血管を収縮させ、心臓へ戻る血液量を増やし、血圧を維持します。

しかし、自律神経の正しい働きが得られない場合、このメカニズムが働かず、血圧が低下し脳血流が減少するため様々な症状が現れます。

脳への血流が減少して、めまいや失神が起こったり、血圧が保持できないので倒れたり起き上がれない状態が発生します。

3.病院での起立性調節障害治療

起立性調節障害の主な治療方法は「生活習慣改善」となっており、お薬による治療は生活習慣改善と併用し昇圧剤を服用するという対処療法です。

起立性調節障害における生活習慣改善例

起立するとき
坐位や臥位から起立するときには、頭位を下げてゆっくり起立する。
起立保持
静止状態の起立保持は、1-2分以上続けない。短時間での起立でも足をクロスする。
水分摂取
1日1.5~2リットル飲み、塩分を多めにとる。
運動
毎日30分程度の歩行を行い、筋力低下を防ぐ。
睡眠
眠くなくても就床が遅くならないようにする。

薬物療法について

第一選択薬は末梢血管を収縮させる作用があるミドドリンというお薬を使い起立直後の血圧低下を軽減します。

他には、アメジニウムというお薬が使われる場合もあります。こちらは交感神経活性が低下して、血圧・心拍数が臥位、立位ともに低下している場合に使用します。

ただし昇圧剤を服用しても頭痛や動悸などが充分に改善できない例も多く見られ、さらに血圧の低下がない症状のものや、逆に一過性の血圧上昇を示す症状もあり、定まった治療方法がなく、未だ模索されている段階です。

現在の病院治療では根本的な改善は難しいと言えます。

起立性調節障害への東洋医学アプローチ

漢方を扱う東洋医学では、原因に対する根本的な改善がコンセプトになりますので、自律神経の乱れを引き起こす原因にアプローチすることで自然に自律神経を整え起立性調節障害を改善に導きます。

東洋医学で診る起立性調節障害

起立性調節障害は主に自律神経の失調により、交感神経や副交感神経それぞれが、働いて欲しいタイミングで働かないために起こります。

この自律神経の失調は、主に「ストレスやホルモンバランスの悪化」よって起こると考えられています。

漢方を使用する東洋医学では、自律神経≒気と捉え、ホルモン内分泌≒肝と捉えます。

つまり、起立性調節障害は気≒自律神経が乱れ、肝≒ホルモンバランスも崩れた状態なので、
基本的には気の乱れを改善する漢方を使い、肝が乱れている方には立て直す漢方を使うことで、自律神経の乱れを生み出す原因にアプローチします。

お客様の状態に合わせる漢方アプローチ

上記では起立性調節障害における漢方の基本的な概念やアプローチを説明しました。
しかし、すべての人に上記の方法が当てはまる訳ではありません。

例えば、胃腸虚弱があり食事から十分に栄養が吸収できてない状態によってホルモンに影響が出るなど、人によって問題点は様々なのです。

だから漢方の世界では、お客様とカウンセリングを行い、時には血液検査データを拝見するなどして正確にお身体の状態を把握する必要があります。

しっかりとお客様と健康相談=カウンセリングを行うことでお一人お一人の身体が抱える問題を解決する為の選薬を行えるから改善に繋がります。

栄養学的アプローチ

自律神経が正常に働かない理由の1つとして「低栄養」の状態が存在することも近年の研究で解ってきています。

神経の制御も様々な代謝により行われていますが栄養が不足すると代謝が正しく行われない為、自律神経の働きが悪化する場合があります。

お客様の状態によってはお薬よりも栄養が必要な場合も近年では多々あります。

身体に不足する原因にアプローチすることが東洋医学のコンセプトですので栄養の状態も視野に入れる必要があります。

ご安心してご相談下さい

健康相談とは、東洋医学を基にした本格的な漢方療法を含む「問診・分析・選薬」という漢方薬局でのみ受けられるサービスです。

本格的な漢方を扱うお店のサービスで、どこの漢方薬局でも体験できるものでは無い為、なじみが少ないと思います。

しかし、西洋医学だけでは改善が難しいことも多く、漢方や健康相談でしか解決しえない問題も存在します。

是非、お困りの場合はお気軽にご相談ください。

ご相談は無料です。漢方の世界を体験できる健康相談を是非、ご活用下さい。

健康相談というサービスについて詳しく知りたい方は下の記事をご参照ください。
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