からだに、おせっかい。
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体に優しい、漢方・自然療法のご紹介。
「応急処置」から「からだづくり」まで
漢方の魅力を語ります。
江戸患いとは…?
江戸時代の江戸では、
富裕層の間で玄米に換えて
精米された白米を食べる習慣が広まり、
それとともに全身の倦怠感、食欲不振、
足のむくみやしびれなどの症状に
悩まされる人が増えました。
それが江戸患い「脚気」です。
江戸幕府十三代将軍徳川家定、
十四代将軍徳川家茂は、脚気で亡くなった
という説が有力です。
この症状は、経験的に蕎麦を食べると
快復することがわかり、のちにその原因が
ビタミンB1の不足
だとわかりました。
江戸時代、当時の白米とは、
いまで言う五分づき程度のお米になります。
それが大正期以降、精米技術が進歩したこと、
一方で副食を十分に摂らなかったことで
多くの患者が出ました。
日露戦争時の日本陸軍の脚気の話は有名ですね。
ビタミンB1が欠乏すると、
末梢神経と中枢神経の
どちらにも障害が起こります。
倦怠感、動悸、感覚異常、筋力低下などや、
記憶障害や幻覚、作話などです。
ビタミンB1はエネルギー生産に関わっています。
それが不足することで脳のパワーが弱くなり、
脳機能が低下することはあきらかです。
それが記憶や思考に限らず、
さまざまな精神症状として現れることに
なんの不思議があるでしょうか。
栄養不足による精神症状は、
他のさまざまな栄養素でも起こり得ます。
そしてそれは、食事の中身のモンダイなのです。
玄米を白米に換えたことで起きるのは、
ビタミンB1の不足だけではなく、
それ以外の栄養素も減ります。
「毎日20種類以上の食材を食べること」というのは、
白米になったから、おかずで栄養を補う
ためだったのですね。
白米を主食としている人は、
そういったリスクを抱えていることを承知してください。
また、パンやめん類、お菓子が多いのなら、
そのリスクはさらに高くなります。
多くの現代人が、精神の不調で
まっさきに心療内科を受診し、
カウンセリングで効果がないと言って
すぐに投薬が始まってしまう現状は、
本当は何の解決にもなっていないのです。
グレーゾーンのモラ夫さんは
受診をすることはありませんが、
こういった栄養不足が背景に隠れていることを
認識するべきでしょう。
夫婦そろって栄養不足、親子そろって栄養不足、
そんな家庭が増えています。
精神状態は脳の栄養状態に影響されます。
クスリよりもまず、
食と栄養に
目を向けなければいけないのです。